私は生まれてから大学で家を出るまで山口県周防大島という離島に住んでいました。
自然豊かで、空気も美味しく海と山に囲まれて本当に住んでいて良かったと思います。
ですが、自然の中でのんびりと暮らそうと簡単に考えて移住すると、思っていたのと違うと苦労することもあります。
都会との大きな違いは移動手段です。
都会では公共機関が整っているので車がなくてもさほど不自由はありませんが、離島ではどうでしょうか。
結論から言うと、島暮らしでは車は必須です。
私が暮らした周防大島は電車はなく、バスはあっても1時間に1本など日常の移動手段としてはかなり不便でした。
この記事では実際に山口県周防大島という離島で生まれ育った経験から
・島暮らしでは車がないと生活できない?
・島暮らしの現実
について紹介します。
目次
島暮らしでは車がないと生活できない?
私が島暮らしをした経験から言うと、まったく出来ないことはないですがないと不便です。
私が生まれ育った山口県周防大島は橋一つで本土とつながる離島でした。
電車やタクシーはなく、バスも1時間に1本あるかないかです。そして夕方にはバスは運行を終えます。
食べ物を買うコンビニやスーパーもいくつかしかなく、最寄りのスーパーまでは2km程度ありました。
コンビニも24時間営業ではなく、今は私の町にあった唯一のコンビニは閉店してしまいました。
お店の品数や種類は少ないので、ある程度規模のあるお店で買い物をしようと思うと本土に行って買い物をする必要があります。
私は橋に一番近い町に住んでいましたが、それでも橋までは5km程度あり、橋が1km、そこからしばらく行くと電車の駅があります(無人駅です)。
私が子供の頃は週末に親と車で本土に行って買い物や外食をしていました。周りにもそういった人が多かったです。
映画館も島を出て10km以上の場所でしたし、親の仕事も島の外でした。
子供の頃からほぼすべての移動手段は車でした。
多くの高齢の方が自分で運転をして生活をしており、農家が多いので軽トラを持っている家が多いです。年齢を重ねても元気に生き生きと暮らしているので感心しています。
ですが運転できない、家族が近くにいない高齢の方はかなりの距離をゆっくりカートを押しながら歩いて食材を買いに行ったりと苦労されています。
友人や知り合った人と交流を持とうと思うと、会いに行くにしても車になります。
せっかく島暮らしで楽しもうと思っても、車がないと交流することが難しくなります。
今ではネットで買い物はできるので車がなくてもある程度生活はできるかもしれませんが、人との交流や島での暮らしを営むには車は必須だと私は感じました。
ここまで移動の不便さばかり書いていますが、車があれば離島での運転は快適です。
車は少なく、海岸線を走れますし、山の高い位置から見下ろせる景色など絶景の中を日常的に運転できます。
私も島から出て、しばらくして戻った時はあらためて自然の景色の美しさに感動します。
移動距離はあっても、道が混んでいないので移動時間はそれほどかかりません。
20kmあっても10〜15分程度で着くことが多いです。
移動手段の少なさはデメリットですが、自然を感じられるドライブが日々できることはメリットになります。
島暮らしの現実
島暮らしは自然豊かな環境で素晴らしい一方、都会に慣れた方からは思いもしなかった現実もあります。
私が実際に暮らしていて感じた現実を紹介します。
・学校が遠い
学校の数が少ないので場所によっては学校までかなりの距離を通学しなければならなくなる場合があります。
私は小中学校が2kmでしたが、高校は島の外で大変でした。
まず自転車で7km、途中橋を渡って本土に行ってようやく電車の駅があり、電車に20分揺られ、さらに徒歩2kmでようやく学校に着いていました。
大変でしたが、かなり体力はつきましたし、毎日汗を流しながら友達と通った長い通学時間は大切な思い出です。
時には電車を使わず20km以上を自転車で学校まで行き、友達と思いっきり後悔して笑いました。
何ものにも代え難い人生の宝物になっています。
時にはしんどい時がありますので、たまに親が車で送迎してくれるとすごく助かります。
毎日ではなくてもいいのでたまにそういったフォローをしてあげることも大切です。
現在では過疎化が進み、閉校するところもあり10km以上離れた小学校に通うケースも増えてきています。ですが、その場合きちんと通学バスが送迎してくれます。
・近所付き合いは大切
田舎では良くも悪くも誰がどこに住んでいるかというのをみんな知っています。
都会では近所付き合いをあまりしなくても平気だったり、誰が住んでいるか知らないということもあるかもしれませんが、田舎では人付き合いはとても大切です。
悪い噂はすぐに広まったり、中には難しい人もいて苦労することもあります。
もちろん良い人もたくさんおり、私は家で作った野菜や釣れた魚をくれたり暖かいつながりを持てる方に多く出会いました。
子供の頃は周りの年配の方々がセミの捕まえ方を教えてくれたり、たくさん遊んでくれました。
とても素敵な体験でいい思い出です。
人と関わらずに自分だけのんびりとした時間を過ごしたいということも一つの考え方ですが、私は「人と人との繋がり」を楽しめる方に離島の暮らしの良さがより感じられるのではないかと思います。
・自治会やお寺の仕事が大変
アパートではなく一軒家に住む場合は自治会に入り、自治会の活動に参加しないといけません。
周防大島にはアパートがそれほどなく、借家でも一軒家に住むことが多いので自治会に入る可能性が高いです。私も借家で、自治会に入っていました。
清掃や会合、班長になると配り物や広報の作成とやることがたくさんあります。
人数も少ないので仕事が回ってくることも多いです。
周防大島ではお寺が多く、お寺でのイベントにも参加することが多かったです。
合唱など楽しいこともあります。
他の離島で暮らしていた友人もお寺関係の役回りが多かったと言っていました。
イエスマンで全て受けていると大変ですので、自分のキャパシティーに合わせて無理はしないようにしましょう。
自分達の住む地域を協力してよくしようという大切な取り組みですし、活動を通して仲良くなれますので移住してきた場合は良いきっかけになります。
まとめ
島暮らしでは車がないと生活できない?
私が島暮らしをした経験からいうと、車がないと生活できません。
まったく出来ないことはないですがかなり不便です。
高齢になるとより深刻になります。
私の暮らした島では電車はなくバスも1時間に1本程度で買い物をする場所も遠いため車が必須でした。
今ではネットで買い物はできるので車がなくてもある程度生活はできるかもしれませんが、人との交流や島での暮らしを営むには車は必須だと私は感じました。
移動手段の少なさはデメリットですが、自然を感じられるドライブが日々できることはメリットになります。
島暮らしの現実
・学校が遠い
過疎化による閉校によりかなり遠くの学校に通ったり、島の外に通学する場合がある。
島内だと通学バスがあることもあるが、時には車で送迎するなど家族のフォローも大切。
長い通学路は友達との思い出になる。
・近所付き合いは大切
都会では近所付き合いをあまりしなくても平気だったり、誰が住んでいるか知らないということもあるかもしれませんが、田舎では人付き合いはとても大切です。
人と人との思いやりの繋がりを楽しめる方にこそ、離島の暮らしの良さがより感じられる。
・自治会やお寺の仕事が大変
アパートではなく一軒家に住む場合は自治会に入り、自治会の活動に参加しないといけません。
清掃や会合、班長になると配り物や広報の作成とやることがたくさんあります。人数も少ないので仕事が回ってくることも多いです。
また私の生まれ育った山口県周防大島という離島ではお寺が多く、ほとんどの家がお寺の壇家でした。私もお寺の行事に子供の頃から参加し、親もお手伝いやイベントに参加していました。子供の頃みんなでお寺に一泊したのは楽しい思い出です。合唱などもありました。
自分達の住む地域を協力してよくしようという大切な取り組みですし、活動を通して仲良くなれますので移住してきた場合は良いきっかけになります。